体力トレーニングに関しての一考

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これまた興味深い。というか、どうにも僕は自身のトレーニングの実績もないくせにこういう話題は好きなようで。
オリエンテーリングへの取り組み~体力面~ | オリエンテーリング日誌

コメントに書こうかとも思ったけど、どうせ長くなりそうなのでいろいろ書いてみよう。
基本的に、内容については同意。反論はまったくない。ただし中高生の身体は僕は知識無いので、その年代独特のものについては何とも言えない。そしてやっぱりこれもあくまで僕の考え。正しいものだなんて誰にも決められない。そういうことを踏まえた上で。

その1 onigamiさんの本文に関して

 まずは、長い距離を走る体力をつけることだ。それがなければ、その先のトレーニングに耐えることができない。目安としては、200km/月を走れるようになれば上出来、150km/月程度が最低限のレベルだと思う。

僕が大学生の頃(インカレ1000人レベル、クラシックエリートは男子90人、うち関東は40人くらいだった頃)は学生エリートの最低限レベルでやっぱり月150kmとか聞いてた。できなかったけど。その最低限がないと、やっぱり勝負どころか舞台にも立てない感じ。

 オリエンテーリングの技術的な上達は、体力レベルの向上がひと段落したころに本格的に始めればいいと思う。

書いた本人は大丈夫だと思うんだけど、読んだ人が勘違いしてほしくないのは、体力レベルを上げる段階のときに技術的な練習をしないでいいというわけではないということ。合宿とか、そういう技術を磨くことができる(数少ない)機会にそういう練習をしないでいい訳がない。

あくまでトレーニング全体の時間の使い方だと思う。1週間なり1ヶ月なりの間に体力的トレーニングをする時間、技術的トレーニングをする時間にどれだけの割合を与えるか、その比率が初期は技術的なものは低くて構わない、ということ。やらなくていいわけじゃない。

あと、これはもちろん1年の中の時期によっても変わるので、目標とするレースに向けての(体力的)鍛錬期や(技術的)研鑽期などを意識したほうがいい、というのはあると思う。このあたりは、実際にトレーニングしないで何となく過ごしている人は勘違いしやすいことだと思う。

 しかし、二回JWOCに行って、やっと少し分かった様な気がする。−オリエンテーリングは「走れ」なければ、速くない。「走れ」なければ、世界では通用しない。

ここ超重要。僕もよく言うんだけど、オリエンテーリングはミス率を競う競技ではなく、あくまでタイムを競うものなので。ミスをしないオリエンテーリングは負けないかもしれない、でも勝てるかわからない。走れるオリエンテーリングはミスで大きく負ける可能性はあるけれど、勝ちに行ける。「負けないオリエンテーリング」か「勝つオリエンテーリング」かは個人の性格にもよるだろうけど、勝ち取りたいのなら、やっぱり走れなきゃ。

ミス率0%でも巡航速度が遅ければ勝てない。(実際には巡航遅かったらミス無くても全部がミスとして計算されるけど。)ミス率30%でも巡航速度が速ければ勝てる。その違いは大きい。

 それから、体力的なトレーニングを始めたが、高1のうちはすぐ先の大会が気になり、トレーニング量を減らしてしまっていた。大事なのはその大会なのか?JWOCなのか?分かっていなかった。でも、それに気付いた今は、そんなことはしていない。大事な大会は一月に一つ設定しておけば十分だ。そうでない大会は、出来る範囲で最大限の努力をすればいい。

一番の目標が何かをちゃんと認識して、その他の大会は大会ごとの目標というか役割をちゃんと作る必要があるよね。必要なくても練習のために全て歩測するとか直進するとか。成績を気にする大会と気にしない大会の区別って必要だと思う。

体力的トレーニングの期分けとも同じだけど、今自分がどういう目的でどういうトレーニング(レース)をやるのか、というのを考えるのが大事なんじゃないかと。学生の期間は短いから、全てのレースが重要に見えて、全てでいい結果を求めたくなるけれどね。

その2 コメント欄読んで思ったこと

で、次にコメント欄でOTさんが言っていたこと。

「10km以上走ると足が痛み始める」という変な法則があって、長距離走るのが本当に苦行だった。そしてひたすら怪我も多くて、150kmに達した月は1回も無かった

身体の個人差、確かにありますね。無理はしてはいけないです。怪我したら元も子もない。

僕も150kmとか走れたことは学生の頃は無かったので大きなことは言えないのだけど、今はちょっと改善し始めている。僕の最大の敵は長距離走れない身体とかではなく怠惰。すぐに怠けようとする。これをなんとか改めて、今はなるべく毎日走るようにしている。1日休むと次に走りだす時がまた大変だけど、続ければ習慣になってくれるのではないかと。

で、10km走れないということだけど、1日10kmを毎日走ったら300kmになります。150km余裕すぎ。150kmのためには1日5km走ればいい。月の総走行距離をかせぐのに長距離走る必要はない。(トレーニングの効果とかは別にして。)このあたりにふと気づいて(いや気づきはしていたけど)今は「毎日走る」と組み合わせて、トレーニングを変えようと試みている。

このあたりはちゃんと続けられるようになってからまとめてレポートを書こうと思っているけど、今のところ2月の半月で走らなかったのは1日だけ。で90km以上走れてる。月200kmペースくらいできている。ちなみにこれまでの僕の最高は6年前の183kmであり、2011年1月の走行距離は78kmだった。それでも無理している感はないし、身体の疲れもそれを感じた1日を休んだだけなので、怪我せずにいけるんじゃないかと思ってる。

今はあくまで毎日のトレーニングを習慣付けるというのが目的なので楽なトレーニングを毎日やっても意味ないとか内容を濃くすべきだとか変化をつけるべきだとか、そういうのは考えていない。それは次の段階だから。でも毎週火曜の航空公園トレではちゃんと本気で取り組んでいる。それを核としている感じかな。

トレーニングは自分の中の常識を壊し続ける行為だと思っている。今の自分の常識は、もっとトレーニングしている人にとっては全然常識じゃない。月に300km400km走っている人の常識になれるようにがんばって、それでも月500km以上の人の常識を知ればまた壊れる。そうやっていくものだと思っている。

そういえば、海外の選手に「週に何日トレーニングをしますか?」と聞いたら理解出来ないような顔をされたと聞いたことがある。彼らは「週に何日」ではなく「週に何回」トレーニングをするのか、と聞くそうだ。つまり「完全に休み日など滅多にない」「1日に複数回トレーニングをするのが当たり前」だということ。先程の話、1回3kmを1日2回でも一ヶ月で180kmになる。

その3 その他

あと、トレーニングで重要なのは、できるだけ自分よりも上の実力の人とトレーニングをする、そういう人のいる環境にいる、ということ。集団の中で自分がトップで、更に上を目指すよりも、自分よりも明らかに上な人がいて、それを目標に追いつこうとするほうが(目標が明確な分)簡単だと思う。

あとはさっきも書いた「常識」の部分。自分がトップだと常に常識に挑戦しなければならない。不可能を可能にするくらいの努力。だけど上が見えていれば、そこまでは辿りつけるはずだと、道が見える。100mの世界記録が10秒を切る時代と切らない時代では(トレーニング環境の違いもあるけれど)100m10秒に近づける大変さは違うと思う。

だから、自分よりも足が速い人と一緒に走り(陸上部の練習に参加するとか)自分よりもオリエンテーリングのうまい人と一緒にオリエンテーリングしたり練習で竸ったり、そういうのが上達への近道だと思う。

オリエンテーリングが速くなりたかったら変な意固地をはらないで、外にでて色んな人から学ぼう。そのほうが速くなれるし、速ければオリエンテーリングはもっともっと楽しいよ。13年前の自分にそう言いたいね。

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この記事を書いた人

静岡県静岡市清水区在住のウェブサイト運営者。ネット上ではc-miya、orefolderなどの名前で活動しています。

ストレスに弱いので、できるだけ好きなことだけをして生きたいと思いながら生活しています。「楽しい」が優先順位の一番上に来るようにしたいですね。

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