※オリエンテーリング関係者以外はまったく分からない話です。
今はだいぶ離れてしまった感はあるけれど、昔はオリエンテーリングの色んな場面に関わってきました。その中でも大会のウェブサイト制作というのは度々やりました。
それこそ大学大会や地域クラブの大会、インカレもやったし全日本大会系もほとんどやったし、世界選手権、アジア選手権のもやりました。
懐かしい。昔を懐かしみつつ、ちょっとオリエンテーリング大会におけるウェブサイトに必要なものとか、考えてみたいと思います。(まとまっているわけではなく、ただ考えを整理するために吐き出していきます。)
今のオリエンテーリング大会サイト
私が大会サイトを作ってたのはだいたいが2010年くらいまでのもので、まぁ10年近く経っているわけです。ただ、ちょっと見てみたところ、今のオリエンテーリング界の大会サイトもあの頃とほとんど変わらないなぁ、という印象。ブログサービスとかを使う例は以前もあったけど、それがスマホ対応もされている(だろう)ということくらいかな?
ぱーっと見てみたところ、昔ながらのhtmlで20年近く前に作られたものを文面変えただけのようなもの、MovableTypeを使っているところ、Wordpressを使っているところ、ブログサービスを使っているところ、本当に様々です。
オリエンテーリングの場合、ウェブサイトはたいがい個人が作るもので、その個人に頼り切ってしまいます。なのでその人がいなくなると大変だったり、まったく継承されていないので何年も続く大会なのに毎回技術レベルも何もバラバラ、何ていうこともあります。
まぁ、しょせん趣味の世界であって、好きな人が好きに集まって細々とやっているだけ、と考えるのならまぁそれでもいいんですけど。ただそんなんを続けておいて「参加者が減った」「お金がない」「普及されない」なんて言っているのは違うよなあ、と。
大会サイトに必要なこと
考え込むと話がだんだん大きくなってけっきょくどうしようもなくなってくるので、とりあえず「オリエンテーリングの大会サイトに必要なこと」「どんな大会サイトがいいのか」を考えてみましょう。
今回のようなことを考え始めたのは、以下のツイートが発端。
コントローラ研修とかで、Yさん講師に要項・プログラムの作り方講習やったらいいと思う。そこでいろいろ議論するのも有意義そう。
— なかけん (@tonNkKn) 2018年1月3日
まぁ要項・プログラムとウェブサイトはまた違うんだけど。
というか、要項も昔から要項をそのまま配布していた文化と考えがこびりついて残っているからよくなくて、要項と募集チラシは分けて考えたほうがいい。チラシのような募集要項って、私が最初に見たのはたぶんトータスがやったものかな。最初の10人リレーとかそのあたり(もっと前?)だったような。そこから私もそういうチラシ系の大会要項を作ったり作成代行をやったりしました。儲からなかったけど。
さて、また脱線してきたので大会サイトに話を戻そう。
必要なものをリストアップ
オリエンテーリングの大会サイトに必要なものってなんだろう?基本的には大会要項にある内容を広げてサイトにすればいい。まぁ「詳細は要項を読んでね」ということにして必要な項目は独立して読めたほうがいい。
- 大会名
- 開催日時
- 開催地
- 交通情報
- 申込方法
- 問い合わせ
- 募集要項
- プログラム
- スタートリスト
- エントリー情報
- 競技結果
- 随時の情報
こんなもんかな。まぁ細々したものや個々人にとっての大事なことはまた別にあるのでそれにいちいち付き合ってられないし、だいたいで。
6つの時期に分ける
必要な項目はリストアップしたけど、その情報を出せる時期、出すべき時期があります。オリエンテーリングの大会というイベントのウェブサイトなのだから、その開催日を軸としていくつかの期間に分かれ、それに合わせた内容が必要になります。
- 開催告知(エントリー前)
- 要項公開及びエントリー開始(エントリー受付期)
- エントリー締切
- プログラム公開
- 大会開催日
- 大会後
リストアップしたら、思ったよりもたくさんの時期に分かれてました…。1つ1つ見ていきましょう。
開催告知(エントリー前)
まだエントリーが始まっていない時期です。とりあえず参加者の期待感を高めるようにした方がいいでしょう。
決まっているのであれば「開催日」「開催場所」は要項公開前でもどんどん出していったほうがいい。「オリエンテーリングの大会は日程発表が遅くて予定が先に埋まっていることが多い」なんてよく聞きました。
割と他のイベントを見ると1年前には日程決まっていたりしますよね。そこまで決められなくても、2月上旬とかそういうレベルでも出しておいたほうがいいと思います。参加者の予定確保と、周囲の大会と被らないためにも。
「開催場所」については、わりとよく市町村や地方レベルだけ書いているところがありますが、「それどこ?」というのがけっこうあります。あなたが思っているほどその土地は有名じゃない。いや例えば「八ヶ岳」でも、山とか知らない人からしたらそれどこ?ってのはあるということ。地域名なんかを強調するのはいいけど、都道府県市町村もどこかに書いておいてもらいたい。
要項公開及びエントリー開始(エントリー受付期)
募集要項の発表とエントリー開始が必ずしも一緒でなくてもいいと思いますが、オリエンテーリングの場合はたいていそうですよね。参加者の多いマラソンなんかはエントリー開始日が告知されますけど。
ここでは実際に申し込みしてもらう必要があるので、「開催日」「開催場所」は引き続き重要で、ほかに「参加意欲を高めるためのもの」そして「申込締切日」が重要になってくると思います。
申込締切日はヘッダー部分に大きく配置していいですし、カウントダウンしてもいいんじゃないでしょうか。オリエンテーリングは参加者少ないので定員になることはまず無いですし、締め切りすぎてから申し込んでくる人もいます。そういうのをずるずる許してきたからそういう人が出てくるんだと思いますが。あと参加申込みだけでお金払わない人ね。
「参加意欲を高めるためのもの」というのは、大会によるのでなんとも言えないですが…。
なんだかんだで「誰かが行くから私も行く」なんて言う人が多いしそういうのは大きいのでエントリーリストはまぁ必要(でも大きくなくていいと思う)。
大会準備の状況をブログ的に流してもいいと思います。そういうお知らせで「◯◯オリエンテーリングクラブから20名の参加申し込みをいただきました!」なんて言うのが続くと、たくさんの人が参加する大会に見えるんじゃないでしょうか。
オリエンテーリング以外の観光情報を載せるところもありますね。大会を軸とした観光プランを提案してもいいんじゃないでしょうか。
ウェブサイトだけではダメですが、何かしらの動きがずっとあったほうが注目は得られるし興味もわきます。広報ってわりと「どれだけ目についたか」だったりしますし。まぁウェブサイトは受動的なものなので、ウェブに訪問させるための仕掛けもまた必要なんですけど。
ただ、そのあたりを本当に考えていくと、やっぱり個人での範囲を超えてくるよねぇ、と。広報もちゃんとチームとしてやったほうがいい。というか参加者を集めるにはいちばん重要なところなのにな。地図に50人かけても広報しなければ参加者少なくて費用回収できないし、地図がめっちゃ雑でも広報しっかりやれば参加者300人になることもある(次回がどうなるかは別だ)し。
おっと、また脱線してしまった。
エントリー締切
エントリーを締め切った後は大会参加者向けの情報にシフトしていきます。申し込みを締め切ったことはちゃんと書いて、まぁ当日参加があるのならそれの案内を大きく書いてもいいかも。
この時期はもう大会の収益に直結するものではないけど、参加者の期待感を高めて大会参加後の満足感を高めるために行動する必要があります。この時期の情報更新が多いと何回も大会サイトを見てもらえる可能性があり、それが多いほど大会への期待感は高まってきます。
プログラム公開
大会プログラムが発行されたら、それがPDF等ならトップページからすぐにダウンロードできるように目立つ位置に配置しておきたい。
大会プログラム中で必要な情報、欲しい情報はわりと人によって違うので、何かを抜き出して目立たせるとかは別で考える。大会参加が豊富な人ほどプログラムを読まないので、特別な注意事項があれば別で書き出したほうがいいかも。そういう人は「交通」「自分のスタート時間」だけ見て「とりあえず自分が何時に出発して何時に会場に着けばいいか」だけを考えるので、スタートリスト(の近く)にタイムスケジュール的なものがあると親切かも。
大会開催日
大会開催日は、天気によっては開催するかどうかの情報を載せておきたい。
大会終了後、なるべく早く速報を掲載。このあたりは計算センターとの連携が必要。とりあえずそれだけは。
大会後
今は知らないけど、昔はよく「大会終了後にラップセンターへのリンクを張ってそれでおしまい」なんてサイトが良くありました。いやいやいや、そこで終わらないでー。
ちゃんと成績が確定したのであれば、それをサイトに残してください。速報ではなく結果を。リンクではなくちゃんとサイト内に。
そういえば昔たまに「成績をウェブに載せないでくれ、プライバシーの侵害だ」なんて言う人がいたけど、たしかそういう競技会の結果は保護される対象ではなかったはず(要出典)。そもそも成績を公開されたくないのであれば公開されている大会に参加すべきではないと思うのだけど。
脱線脱線。
成績さえ掲載してしまえば、最低限のことは完了。あとは写真を載せてもいいし、優勝者のインタビューを載せてもいい。ウィナーズルートもいいね、走った後日にも楽しめるなんていいじゃないですか。思い出補正もあって大会に対して良い印象が残ります。
そして、そういった大会後コンテンツに合わせて次回の予告なりをしておけば、次に繋げることができます。まぁそれも次がある程度でも決まってないとできないんですけど。
大会サイトのテンプレート
うーん…これを書くまでは「オリエンテーリングの大会ウェブサイトに使えるはてなブログのテーマとか作ったら便利なんじゃね?」と思っていたのですが、改めて考えてみるとけっこう面倒ですね。
上の時期別にサンプルサイトを作ってもいいけど、それを他の人が使えるようにするのは、かなり面倒そう。そこまでするなら、やっぱりいくつかのテンプレートを作っておいて、大会サイト制作代行(コンテンツは自分たちで作ってね)というほうが良さそう。だけどまぁ、そういうところにお金出せる大会はほとんど無いだろうなぁ。3,000円でも出せないって言うよ、きっと。
うーん…サンプルサイト、作ってみるつもりでいたけど、どうしよう…?
おまけ
今回のことには関係ないけど、オリエンテーリング関係で情報・知識の集積ができていない、ばらばらで途切れてるということについて、ある程度まとまった情報が得られるサイトが必要かなぁということ。
昔orienteering-archiveというwiki形式のものを立川くんが作ってたのだけど、けっきょく荒らし攻撃の標的になってしまって消えってしまった。自分も昔wiki形式に手を出してみたけど、けっきょくほかに更新してくれる人はいないし攻撃対象になるしでダメだった。協力してくれる人なんて、こちらからかなりアタックしない限り期待しない方がいい。
で、よくよく考えてみればじぶんは「オリエンテーリング.jp」という日本語ドメインを持っているので、情報をまとめるのであればちょうどいいドメインだよなぁ、と。
まぁそれだけ。