けいおん!!の最終回が終わった。まぁ、このあと番外編が2回あって、さらにBDにはオリジナルでもう1話あるんじゃないかな?とは思うけど。
けいおん!に限らず、今のアニメの楽しみ方は昔とはだいぶ違ってきたように思う。とりあえず僕にとっては。昔はTVそのもので完結していた。まぁあってもコミック誌だとかアニメージュだとかの雑誌での情報くらいだった。だけど今はネットがある。
TVでの放送と、雑誌でのアニメ本編周辺の情報と、それらを受けてのネットでの反応、それらをすべて楽しむのが今の楽しみ方になってきているんじゃないかな。そして今の僕はそうやって楽しむことが出来ている。
さて、けいおん!!僕がいるはてな村界隈でもけいおん!!関係の感想やらなにやらはよく見ることが出来る。これは他のアニメよりもかなり多いと思う。面白いのは、話題となった「登場物の特定ネタ」だけでなく、各話のキャラクターや何気ないものの意味を考察する人が多かったこと。他のアニメでもあるのかもしれないけど(感想はけっこうあるし)それが僕の視界には多く入ってきた。
アニメに対して非常に多くの人が考察、本編で描かれなかった部分を補完しようとするというのは、例えばエヴァでもよくあった。ただし、あれはわざとらしいくらいにそれっぽい単語なんかを並べて餌を撒きまくっていた。けいおんの場合はもうちょっとさりげなく配置されていて、もしくは本当は意味のないものまで勝手に考察されている感じ。こうやって視聴者が考える余地を与えられているってのは重要なのかもしれない。
けいおん2期でよく言われていたのが「1期では軽音部が中心だったけど、2期になって軽音部の外の世界に広がっていった(クラスのモブの存在など)」というもの。それは非常に納得にいくものだった。けど、今回の最終回、その最後にはやっぱり軽音部(音楽室)に戻っていった。「いい最終回だった」と言われる20話でもやっぱり音楽室だった。それはちょっとだけ嬉しかったな。
けいおん!はHTTの物語であり、彼女ら5人が主役…ということだろうけど、あずにゃんは主役にはなりきれなかった印象。この物語はやっぱり唯たち4人の物語で、あずにゃんは傍観者、とまでは行かないけどどうしても超えられない谷が存在する、外の人間として描かれている。視聴者もあずにゃんにはなれても唯たちにはなれない。
今学生ではない、社会人がけいおん!を見るとき一番共感できるのはさわちゃんなんじゃないかな?と思う。まぁ僕がそうだったからという理由でしかないけど。彼女もまた外の人間。進路希望調査の紙を提出するときとか様々な場面でのふとした表情が、僕のような年代には「あぁわかるわかる」と。
ちなみに、最終回としては原作のほうが好きだったな。原作のほうがよりあっさりしている気もするけれど、未来を感じる最後だったので。TV版はその先がまったく見えないで、本当に卒業式のあとの音楽室で終わってしまっている。なんというか、暗黒なのだよ。このあとが見たいのに。そういえば、原作では「またライブハウスで会えるから」と言っているのに、アニメでは曲の中以外では「また会える」ということを言っていない。
まぁあと番外編が2回は残っている。番外編なので大きな動きはないと思うけど、それこそ「これからも続く日常」を現してくれるんだろう。