iOS 18の「気をそらす項目を非表示」に関する雑感

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iOS 18が米国時間2024年9月16日に公開されました。このバージョンの新機能はいくつかありますが、その中でも注目度の高かったのが「気をそらす項目を非表示」です。

私自身は現在(iOS 18の使える)iPhoneを持っていないので実際の動きは確認できていないのですが、ウェブ上でチラホラ見る情報から考えたことなどをつらつらと書いていきます。

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気をそらす項目を非表示 とは

「気をそらす項目を非表示(Hide Distracting item)」はiOS 18で追加されたSafariの機能です。ウェブサイトを閲覧中にメニューからこれを起動すると、自分が指定した要素(気をそらす項目)を非表示にできます。

広告ブロック的な見られ方をしていますが、広告以外のものでも、基本的に何でも非表示にできます。実際の動きは↓のように。

広告ブロッカーのように最初から表示しないのではなく、既に表示されているものを自分で選んで消去する、といったイメージですね。消去すると最初からそこに何もなかったように、後の項目が詰めて表示されます。

なんだか、ブラウザの開発ツール(デベロッパーツール)で要素を消去するのと似てるなぁと思ったのですが、実際の挙動としてはユーザースタイルシートで指定した要素にdisplay:none !importantを入れているようですね。(→参考

一度消去したものが、同じサイトなら全部非表示になるのか、ページを開くたびに復活するのかは人によって言ってることが変わるので不正確ですが、おそらく同じサイト内でIDなりclassなりが同じものは引き継がれるけどそういったものが開くたびに変わるのなら毎回復活する、といった感じかと。

ウェブ広告に影響があるのか?

この「気をそらす項目を非表示」が、広告ブロック的なものとして捉えられて、ウェブ広告に大打撃!なんていう言説を見るけど、私はあまりそうは思わないんですよね。

私は広告会社の人間ではなく、ウェブ運営者、アフィリエイター、ブロガー、そんな感じの立場からになるけど。

これ使う人はそもそも広告タップしないでしょ

ウェブ広告って表示する(インプレッション)、タップする、リンク先で行動するの3つの段階があって、どこで広告費が発生するのか、掲載者に収益が発生するのかは広告(システム)によって異なります。

「気をそらす項目を非表示」って、最初から非表示にするわけではなく表示された後に自分で選んで非表示にします。なのでインプレッションはもう発生しているし、視認してるので表示(認識)されればいいという広告なら目的は達成しています。

この機能を使って非表示にする人であれば、元々その広告をクリックするわけないです。誤タップを狙うにしても、誤タップするなら機能を使う前に誤タップしてるでしょう。

機能自体使われる頻度は減っていくのでは?

また、この機能自体も、わざわざメニューから呼び出して消したいものを選択して消す、という手順が必要です。広告がうざいと思う人も、この機能を使うよりも無視したほうが早いので、そのうちあまり使わなくなるのでは?という気もします。

  • 全画面広告など避けられないもので消去の❌️ボタンを探すのが面倒
  • 画面下部に張り付いたり画面中央右に張り付く追尾系の広告

こういった広告に使うのは有用なので、そういうのは残るかもしれませんね。スクロールで消える広告は無視したほうが早いでしょう。

広告の貼り方次第

広告ブロッカーに関する言説で「最近はあまりに記事を読ませる気がないひどい広告が増えてそれで使わざるを得ない」というのがあります。

「気をそらす項目を非表示」は自分で選んで広告などを消すので、あまりにうざい広告のサイトは消される、そうでない広告表示のサイトは消されない、というようになるんじゃないかな?むしろそうなってほしいな、と。

ガス抜きになる?

広告ブロッカーとしてはほとんど意味ないと思ってます。でもユーザーからは「ついにOSの機能で広告ブロックだ!さすがApple、広告屋のGoogleにはできないやつだ!」と絶賛です。

わりとここの温度差?認識の差?に目的があるような気がしなくもないんですよね。

この機能、広告を消せるというほかに「砂になって消えるようなエフェクト」も褒められています。確かに面白いですよね。アニメーションさせることで実際の処理時間を滑らかに進んでいるように錯覚させる、というのはずいぶん前からある手法ですが、これはまた違う意味もありそう。

自分の手で選んで消す、選択したものが砂になって消える。これ自分で広告という悪を退治したかのような気分になるんですね。実際は広告は既に読み込まれてインプレッションの目的は達成されていて、無視すればいいだけのものをわざわざ労力使わせられてるのですが、やってやった感があります。

うざくて邪魔だった広告を自分の手で消し去ってやったぜ!と、溜まったヘイトを発散させる、ちょっとしたガス抜きになってるんじゃないかと。で、実質広告に影響はなくても、それを消し去る武器を与えてくれたSafari、Appleの評価が上がる…と。

まぁ考えすぎですかね。

「気をそらす項目を非表示」が有用な場面

広告ブロックとしては手間がかかるし実質意味ないよな、と思っていたのですが、いくつか有用な使い方を言ってる人がいました。

  • 全画面や追尾系の広告を消去
  • 何度も見るページで記事に集中したい場合
  • スクリーンショットを撮るときに余計なものを非表示

こういう使い方は便利ですし、「気をそらす項目を非表示」の名前にも合ってますね。

PCのChromeとかでも似たことはできる

この機能をPCでも、Chromeでも使わせてくれ~!みたいなのも見たのですが、まぁ似たことはできますよね。ChromeでもFirefoxでも。

詳しくは書きませんけど、F12キーを押せば開発ツールが起動するので、矢印で消したい要素を選択、右クリックで要素を削除的なものを選べば消えます。まぁリロードすれば戻りますけど。

やってることは似てますよね。

Firefoxを使おう

広告が嫌なんだったらFirefoxを使いましょう。拡張機能で広告ブロッカーありますし、そこまでしたくなくてもリーダーモードなんかもありますし。ほかにもいろいろ拡張機能で好きにカスタマイズできますしね。

Firefoxはいいぞ。

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この記事を書いた人

静岡県静岡市清水区在住のウェブサイト運営者。ネット上ではc-miya、orefolderなどの名前で活動しています。

ストレスに弱いので、できるだけ好きなことだけをして生きたいと思いながら生活しています。「楽しい」が優先順位の一番上に来るようにしたいですね。

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